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アラブとイスラエル―パレスチナ問題の構図 (講談社現代新書)


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  • 高橋 和夫
  • 講談社
  • グループ:Book
  • ランキング:1025
  • 価格:¥ 735
  • 発売日:1992-01
  • 通常2~4週間以内に発送
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カスタマーレビュー 総合評価:

絶賛  (2008-04-15)
日本人にはわかり難い民族問題。とりわけ、宗教が出てくるとチンプンカンプンになる中東問題。
わかり難い中東の歴史、問題点をここまでまとめた作品はないだろう。
中東地域の宗教について、民族問題と領土問題は同じなのか、水を巡る闘いの本質とは、なぜ中東にアメリカが出てくるのか、そもそもイスラエルとは・・・など、
フィールドワークで鍛えた人の書く文面は説得力があり、旅行を兼ねた訪問で見てきた人たちとは水準が異なる。
やや古い本だが、中東の歴史はそれ以上に古いので、現状でも十分対応できる。
9.11以降、日本でも中東情勢に関心を持つ人が増えたが、これはそのガイダンスとして大きく役立つ。
北米、ヨーロッパを研究している人、興味ある人にもぜひ勧めたい1冊。

これはいい。  (2008-03-20)
授業の内容を深め、ややこしい紛争の内容を整理するために買った。なるべく平等な視点で書かれてあるらしい。パレスチナ問題の本ではかなりいい部類に入るのではないだろうか。国と国でどういう策略や、やりとりがあったか、そのときのリーダーの戦略はなんだったのか、教科書のようにしっかり書かれてある。イスラエルの核の意味、その周辺国との対立、エジプト、アメリカ、レバノン、シリア、ソ連、冷戦、正直はまる。
後ろには索引ついてるし、話が湾岸戦争で終わっていてせっかくいい本なのに、もったいないと思った。

パレスチナ問題に関する最良の入門書  (2008-01-30)
パレスチナ問題に関する最良の入門書ではないだろうか。旧ソ連の中東政策が、スターリン時代とフルシチョフ時代で大きく変化して居る事、アイゼンハワーが、イスラエルに対して強硬な政策を採ったにも関はらず、ユダヤ系アメリカ人の40パーセントから支持されて居た事、旧ソ連からのユダヤ人出国問題が、パレスチナ問題にいかに大きな影響を与えて居たか、など、この本を読んで初めて正しく、正確に認識した歴史的事実も多かった。イスラエル、パレスチナのどちらに対しても感情的偏りを持たない、冷静な記述に徹した本である。

(西岡昌紀・内科医/『マルコポーロ』廃刊事件から13年目の日に)

あと一歩で合格というレベルの本  (2005-09-24)
パレスティナにユダヤ国家を作る工作をイギリス外務省に対して行ったシオニストのスポンサー、ロスチャイルド銀行総裁エドマン・ロスチャイルドの書簡の中に「中東に白人の国を作っておくとあの地域に影響力を行使しやすい」という文言があります。つまり世界最大の産業資本が、有望な油田が次々に掘られアジアと欧州をつなぐ回廊であるオリエントに、白人国家を作るべしという意思を持っていた。オスマントルコ亡き後の中東をアラブ国家が支配することにノーと言ったのである。世界最大の産業資本は当然世界中の工業資本とつながりがあり、それらの利害を一部代表している。
これは国家レベルの話ではない。このような意志が働き、中東分割とパレスティナの悲劇が生み出されている。中世以来資本の活動は国家に完全に収斂しない。本書の問題点は、世界政治が主権国家同士のせめぎあいだけで成り立っているかのごとき論点にたっていると言うことである。
政治評論は、産業資本の生態と国家の生態、主権国家を形成しない集団の生態を組み合わせなければ嘘っぱちになる。アメリカがとかイギリスがといった記述のみが出てくる本は完成度が低い。簡潔な書き方が人気を呼んでいるが、簡潔にしすぎ。省いてはいけないことを省いている。
他の面で本書は多くの優れた点を持っている。基本事項をわかりやすく述べており、また著者の意見は非常にフェアである。読んだほうがいい本であることはまちがいない。星三つと言うのは低すぎるか。

定評ある解説書  (2004-09-25)
 本書の著者高橋和夫放送大学助教授の解説の特徴として「分かりやすさ」がある。その「分かりやすさ」は、複雑な事情の単純化によるのだが、中東問題の半可通には必ずしも評判は良くはない。しかし、いたずらに多数の複雑な要素を考慮しても、必ずしも予測の精度が向上しないことは、科学技術の応用の現場では広く認識されている。高橋氏の解説は、中東の状況を予測するのに単純過ぎず、複雑過ぎずで、有用であるように思われる。
 さらに、高橋氏の得意技に、世間に広まっている言説が「神話」に過ぎないことを、「王様は裸だ!」的に、明らかにする論説がある。中東問題では、良く考えるとトンデモな言説が、主流メディアや著名な外交評論誌などで、大真面目に論じられることが多い。1991年の湾岸戦争の前には、イスラエルは、米国にとって、中東におけるソ連の影響力に対抗するための戦略的資産(Strategic Asset)であるという、イスラエル・ロビーの広めた「神話」を真に受けて、したり顔で語る中東/軍事専門家がいた。しかし、大衆の間に反イスラエル感情が蔓延している中東では、イスラエルに軍事支援を求めるような政権は、正当性を失い、存続できない。だからこそ、当時のブッシュ大統領(現ブッシュ大統領の父親)は、湾岸戦争当時、イスラエルにイラク攻撃を許さなかった。米国がイスラエルにつぎ込んだお金は、親米国家の保護に全く役に立たない無駄金だった。「イスラエル=戦略的資産」説のトンデモさを明らかにしたのが本書であった。
 1992年に出版された本書には、当然最近の話題が登場しない。しかし、入手し易く、安価な解説書として、トンデモ説に惑わされないための基本書として本書をお薦めしたい。

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