古代出雲王国の謎―邪馬台国以前に存在した“巨大宗教国家” (PHP文庫)
島根観光には是非欲しい1冊
(2008-09-29)
学問的な正確さについては全くわかりませんが、『風土記』は、注と訳が上下に付いている『新日本古典文学全集』版(B5版)が断然読みやすいと思います。私も家ではそれを読みました。しかし、レンタカーでの島根への短い旅に出たとき、往復の電車の中で読んだのは、小型のこの本でした。この本は読み物としては退屈な部分が多いと正直思います。しかし、珠玉のように感動的な部分もあります。また、私はほんの少しだけですが、現地に立つこともできました。「国庁意宇郡家北十字街」という十字路といわれる場所に立った時は本当に感動しました。また、この風土記に見える三つの寺の跡にも行きましたがそれぞれ感動的でした。やはり、「原本」はたとえ現代語訳で読んだとしても、解説よりも百倍いいと感じました。ということで、島根観光には是非欲しい1冊といえるかもしれません。
古代出雲の風土。
(2005-04-17)
『出雲国風土記』の全訳註。巻末には原文を収録し、また『出雲国風土記』の地名マップもつけています。
本文は読み下し文で進められます。『出雲国風土記』は、《郡総記/郷/山河/郡境路程》というように大変整然としていることもあって、そのつど現代語訳、註、解説をほどこす丁寧な構成になっています。見所はやはり『記紀』にはない独自でより素朴な神話伝承の世界。また整理された内容から古代出雲の地理がよくわかります。巻末の地名マップを参照するとより理解できます。
単に神話伝説を読むだけでなく、古代出雲の地理の理解のために。また日本神話の形成や、出雲国造家と中央政権との関係を考える上でも重要な1冊。