古代出雲王国の謎―邪馬台国以前に存在した“巨大宗教国家” (PHP文庫)
「民都」大阪対「帝都」東京―思想としての関西私鉄 (講談社選書メチエ)
アマテラスかオホクニヌシか
(2006-08-20)
「出雲」と言う言葉からは古典や古代史をイメージしてしまうが、本書の主題は思想史である、と言っていいだろう。アマテラス(伊勢)とオホクニヌシ(出雲)のどちらを中心に据えるかと言う思想と政治力学の歴史である。
オホクニヌシ重視派が歴史的に見て必ずしも少数派でなかったことから、もしかすると今後、アマテラスかオホクニヌシか、と言う論争が再燃しオホクニヌシの復権があるかもしれない。「第二部 埼玉の謎」で述べられている、県庁所在地の座を浦和に奪われた出雲の神々を祀る氷川神社のある大宮が、それを彷彿とさせる。
これは面白い!
(2006-02-11)
2006年12月4日出雲学フォーラムで原武史さんの講演を聞く。
本居宣長、平田篤胤、千家尊福と続く出雲に関する近代思想史の話を聞くのは初めてであり、とても興味深かった。
早速会場で原武史著「出雲という思想−近代日本の抹殺された神々−」を購入し、一挙に読んだ。これは面白い。
アマテラスを主宰神とする伊勢神道。これに対するスサノヲやオホクニヌシを主宰神とする神道<出雲>。明治国家形成の過程でいったん表舞台に登場しながら国家神道<伊勢>に対する強力な批判であったがために、明治初期国家(政府)によってついに抹殺されるにいたる。
しかし、その後も大本教(出口王仁三郎)、折口信夫と出雲神道の信仰、研究は続いていた。
出雲國というトポス(場所)に暮らす者として今一度出雲神道の系譜をキチンと辿ってみたいと思う。