検証「国策逮捕」 経済検察はなぜ、いかに堀江・村上を葬ったのか
面白い回顧録だが,読むときには出版時期を鑑みる必要あり
(2008-10-15)
ライブドア(当時)のNo.2の宮内氏が地裁判決直前の被告の立場で発表した回顧録.結構多面的に書いてある.内部からライブドアを見た人間としての記述,当事者としての記述は読んでいて非常に面白いし,文章も上手い.著者や堀江氏が犯した大きなミスとして,「日本では法が恣意的に運用されることを軽視していた」という趣旨を挙げているあたりはズバリ本質をついていると思う(南堂氏の「二重の虚構」の方がわかりやすいが).公判(or+懲役)終了後のビジョンや税理士になる前の話などは大抵の読者にとってはどうでもよいことだろう.
丸括弧内に僕の感想を入れながら論点をまとめると,「マネーゲームや虚業じゃない(その通り)」、「マスコミや検察は事実云々よりもライブドア潰しが目的(その通りだろう)」、「小さな不適切な処理はあったが,強制捜査や逮捕や起訴に値するような案件ではない(起訴されていない横領以外はその通りだろう)」、「検察との取引なんかない(そうか?)」、「著者が有罪なら堀江も有罪が当たり前(そうか?)」、あたりか.最後の二つなんかは,本書に具体的に書いてある内容を以ってある程度反論できそうだ.
事件当事者の回顧録としても急成長する会社を内部から見た事例としても非常に面白い本ではあるが,著者がライブドアの金融部門のトップであったという事実と,堀江批判や検察への協力により執行猶予を得るというインセンティブのある時期だったということは意識して読む必要があろう.全体的に,仕事ができるが誠実さに欠ける(一般人と比べてではなく取締役の割には)という印象を受けた.
あの大きな事件の裏側の流れを見るために
(2008-08-11)
私が、ベンチャーについて少し語っていたところ、友人のベンチャー企業の社長から「宮内さんの本読んだことある? 読んだ方がいいよ」ということで、薦められた本。
この本をきっかけに、ライブドア事件の本を何冊か読んだ。
結局、何が「真実」かは分からないし、語り手の良し悪しによっても非常に違った印象を受ける。
語り手によって、受けてはいろんな印象を持つこと。当たり前のことかもしれないが、それを知るだけでも面白い。あのころのメディアの論調と、宮内氏の独白。それを比較するだけでも十分面白いし、考えることは多々ある。
そして、赤裸々なベンチャー企業の実態。上場のいい加減さ。ここまで赤裸々に自虐的に語った本も珍しいだろう。
わが友人のベンチャー社長が言っていたように、ベンチャー起業を志す者にとっては、「社長失格/板倉雄一郎」と同等に読むべき本ではなかろうか?と思う。
私なりのライブドアショックの解釈
(2008-07-03)
ホリエモン本人には、罪を犯したつもりは今もないんじゃないかと想像。
幹部社員らがナニをしていたのか把握・理解する能力と、大企業の社長たる器を持っていなかったんでしょうな。裸の王様ですよね。
株は怖いと言いますが、博打感覚でやらず、常に「想定外」があり得ることを意識してリスク管理するのが大事ですね。
私も一応は大したケガもせず、LDショックを乗り切れました。
行過ぎた資本主義に警鐘?ライブドア事件がもたらしたもの・・。
(2007-11-27)
短期の利益を追っかける株主にさらされて、ひたすら買収劇を繰り返し巨大化したホリエモン帝国崩壊の実情が垣間見れます。でっち上げ事件に巻き込まれた関係者には申し訳ありませんが、これも時代の必然だったのかもしれません・・戦国時代の織田信長が天下を取れなかったように、閉鎖空間を突破する強者が必ずしも天下が取れるわけではないということを繰り返し示してくれたということでしょうか・・。事件自体は日経平均株価の下落は別としても、粉飾でいけば正直微罪もいいところで、あれを黒(アウト)にしてしまったら逮捕しなきゃいかん方々はごきぶりのごとくうじゃうじゃ出てきますよね・、、一体白黒判別の基準はどこにあるのか疑います・・。違う意味で国家と検察の黒い部分をさらけ出す結果となった出来事でした、、 。
軸はファイナンス事業部
(2007-10-22)
ライブドアの収益源は金融業だったというのが良くわかり、その経緯も当事者本人が述べられてます。
ファイナンス事業部で様々な買収案件を探したり、子会社の利益を本体メディア事業に付け替える経緯等リアルでした。
ライブドアの経営面での実態は、年次決算の度に会計操作で利益をなんとか捻出し、見せ掛けの成長(売上高や当期純利益等の会計上の指標を前年度比で○○%とあたかも成長してるかの如く装うなど。一般に投資家は監査済みの財務諸表を前提としているため、不正かどうか判断する余地が無い。従って本書で述べられてる様に監査法人にも責任があるといえる)を演出し、市場に成長株とのサプライズを与えて投資家の買い気配を誘導し、時価総額を上げていくというものだったよう。
会社経営だから利益を上げるのは至上命題だけれども、技術力が高いという噂だった技術者から見ていたらどんな思いだったんだろう?事業を広げすぎずネット事業に軸を据えて技術力主導で経営してたら!?とも素人目には思ったり。。
メディアと国を挙げての検挙だった事もよーく理解出来たけど、やはり粉飾の罪はあまりにも重い。
宮内さんは理論的な部分とは無縁で、税理士出身という事もあってか徹底して実務家。読んでいてファイナンス事業部の士気の高さとか投資銀行業務の面白さなんかも伝わってきたりしましたが、もちろん粉飾はNG。もう既に中国ビジネスを始められてるみたいです、ガンバッテ下さい。