スラップスティック―または、もう孤独じゃない (ハヤカワ文庫 SF 528)
語るのが難しい作家
(2008-11-22)
アマゾンにレビューを書いている人の多くは、無名な読書好きだと思います。
私もその一人です。
そして私は、カート・ヴォネガットという作家が大好きです。
ヴォネガットは文句なしに面白いです。
でも、何がどう面白いのか説明するのが、これほど難しい作家もあまりいないのではないかと思っています。(同時にくどくどと説明しないではいられないような・・・)
これはそのヴォネガットが書き散らかしたエッセイの集まりです。
ヴォネガットが大好きな人なら、たぶん好きになる本だと思います。
でも、ヴォネガットのことを何も(あるいはほとんど)知らない人にとっては、ただの年寄りの愚痴にしか聞こえないのではないかと、かなり心配になる内容です。
だってただの愚痴だから。
「自分はマジョリティには流されない」
「自分は簡単には信じない、まず疑ってかかる」
自分がこのようなタイプだと思っている人、ヴォネガットを読んでください。
そしてその徹底したニヒリズムが行き着く先を、読み取ってほしいです。
どこにもたどりつけない虚無感こそ、この作家の真骨頂なのだと思います。
「だからどうなのよ」と思ったあなた、その先は自分で見つけてください。
ヴォネガットはそんな作家です。