死はさしたる事柄に非ず
(2007-01-14)
肉親が闘病生活に入った。書店を眺めても、ガン、がん、癌・・・という
タイトルが気になる。ふと目についたのが、この本。著者が腹部の異変に
自覚し、治療入院するまでの日々を記している。文章は日々の家族との生活、
愛犬との散歩を含め、淡々と記されているが、生きていることへの愛おしさに
あふれている。また、知友人の紹介で次々と期待できる医師や治療法、
病院が出てきて心が揺れる。巻末にこの日記が書かれる3年前に著者の残した
「死に際しての処置」12項目がある。心に残ったのは、「死はさしたる事柄に
非ず 生のときは生あるのみ、死のときは死あるのみ、悲しむべきことに
非ざるが故に」。
大活字で文語体(現代仮名遣い)。
(2006-11-30)
俗な言い方で失礼。「清貧の思想」でメジャーになられたドイツ文学専門の文筆家が
亡くなられて2年後(ことしらしい)。
発見された最期の日記を単行本化したものです。それも
和紙73枚に浄書された状態とのことです。
がん治療についてのご本人の見解や、世相を反映した事件についての感想
(京都の養鶏場での鶏大量死かくし)などが文語調ではありますが、
大変分かりやすく読みやすく綴られています。
ガンの治療に関してはセカンドオピニオン、サードオピニオンが体現されています。
特にいいのは奥様が書かれた「夫が亡くなるまでの日々」です。
この方にこの伴侶ありだなとつくづく思わされます。愛情があふれています。
著者による「死に際しての処置」、控えめで気配りあふれる人柄があふれていて
見事でした。いいほんです。病気で寝ている方、今は健康でもガン治療に関心のある方
中野先生のファンに、みんなに読んでほしいです。