良書
(2008-12-08)
全体的に良い。
経済学的に政治を読み解くと言った感じ。
それも国際金融のトリレンマ、マンデルフレミング等の一般的には難しいとされている理論が非常に簡潔にわかりやすく書かれている。
原油高時の政策、埋蔵金(一般会計と特別会計)のところは勉強になった。
日銀の政策に関しては森永卓郎氏と同じ見解。
上げ潮路線について「経済成長をまず目指し、それでも無理なら増税をする」という定義をしている。
ごもっとも。
ただ経済成長についての理論が浅いこと、消費税の逆進性を加味すれば…
日本経済をめぐる壮大な裏話
(2008-12-05)
小泉改革の裏側や日銀・財務省の争い、キャリア官僚の悪巧みなどインタビュー形式で読みやすく、かつ面白い。
しかし、反面、口語であるが故に冗長と感じる面もあり、もっと深く知りたいと思う箇所も
少なくない。
それは新書ゆえに仕方のない部分であり、他のレビュアーが書いているとおり、そういう人
は著者の他の書籍にあたるのが良いかもしれない。
それにしても政治と行政の変革は喫緊の課題であることを改めて感じさせられた。
「さらば財務省!」入門
(2008-10-31)
埋蔵金や道路特定財源、公務員改革など
ニュースに頻出するキーワードについて、経済学の理論からわかりやすく解く。
官僚内閣制批判という点で
ほかの著書と内容が同じといえば同じだが、
「今をときめく話題の著者が何を言ってること」を
さくっとつかむのに、一番手っ取り早いのが本書といえる。
知性と感情両面に訴えるものがあるのが
この人のうまいところなのだろうが、
語りおこしで、歯に衣着せぬ痛快な物言いがさらに冴えている。
霞ヶ関埋蔵金男によるお手軽経済解説本
(2008-10-11)
霞ヶ関埋蔵金男によるお手軽経済解説本
大蔵官僚から実質的な竹中平蔵のスタッフとなった霞ヶ関埋蔵金発見男・高橋洋一による、時評的経済解説本である。
テーマ設定の後のインタビューをまとめた形式のお手軽編集本の様であるが、刊行を急ぐ大人の事情があったのであろう。
2008年春時点での、竹中チームによる自民党・マスコミ内の「小泉・竹中構造改革路線」離れ・疲れに対する反撃の一冊との役割を担っているものと思われる。
大蔵省・財務省叩きが数多くちりばめられているが、トータルでは他省庁殊に日本銀行他の省庁に対する姿勢の高圧さと東大法学部卒業の官僚に対する言動に私怨を感じる。(高橋の指摘が十分根拠のある事例であっても。)
高橋と本書より垣間見える高橋が実質的に応援しているのであろう政治家たちが持つ単純化さた世界の動向、実質的にはアメリカ標準原理に価値を置くことへの不信は、高橋が言葉を重ねた本書によっても解消しない。
中央省庁内・官邸内部の人の営みと交錯する利害の人間臭い記述は、収穫である。
楽しく読める一冊だが・・・・
(2008-10-09)
なかなか楽しく読める一冊であった。日銀を「馬鹿」の一言でばっさり切っているあたりは読んでいても、ある意味爽快である(笑)
ただしボリュームも少ないせいか、いささか説明不足なのも事実。特にマンデル・フレミングモデルの項で、「日本は変動相場制だから財政政策、公共投資はムダ」とさかんに指摘しているが、そもそもマンデル・フレミングモデルは
前提1:自国が小国
前提2:金融政策が中立
前提3:国際資本移動が自由
のもとで成立し、財政出動をすると、
所得増加→金利上昇→資本流入→為替レート上昇→純輸出減少となり、所得増加が相殺される
というものだが、日本の場合前提1と前提2が成立していない。
まず、日本の経済規模は大きすぎる。
次に、現在の金融政策は輸出ドライブがかかっていて異様に円安に振れており、中立とは言いがたい。
従って、上のシーケンスに書かれた「金利の上昇」と「為替の上昇」は起きない(上昇しそうになると政府が介入して下げる)、だから、輸出の不振による所得の低下を生み出さないのではないかと思います。
著者にしてみれば、この程度の反論など簡単に論破してしまいそうではあるが(そう信じたい)マンデル・フレミングモデルは万能である、といった誤解を生みかねない。
他にも、これはちょっと言いすぎだろ。と感じた部分も多々あるので★4つ