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決定版 この国のけじめ (文春文庫)


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  • 藤原 正彦
  • 文藝春秋
  • グループ:Book
  • ランキング:36987
  • 価格:¥ 560
  • 発売日:2008-04-10
  • 通常24時間以内に発送
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藤原正彦の人生案内

カスタマーレビュー 総合評価:

堅いものも、柔らかいものも  (2008-12-08)
文藝春秋に掲載された論説を中心とした随筆集ですが、堅いものから柔らかいものまで十分に満喫しました。
堅い部分では、日本人が日本人らしさを取り戻すために祖国に対する自信と誇りが大切ということを主張なさっています。また、市場原理主義を徹底的に糾弾しています。市場原理主義のほうは、藤原氏の懸念したとおり世界経済を今どん底に突き落としているようです。世界中の為政者がこの本を読んでいてくれたら、このような破綻も回避できたのではないか、などと思ったりもします。
もともと私は藤原氏の絶妙なユーモアや叙情あふれるエッセイのファンでした。本書にある堅いものは、初め少し違和感を感じましたが、その強い主張の中には藤原氏ならではの弱者への惻隠などが溢れていて、自然な流れなのだなと思いました。
楽しめるとともに、読後の満腹感もある貴重な読書体験をしました。

藤原氏に何が起こったのか?  (2008-12-01)
私は、著者の作品を複数読んでいる。若き数学者のアメリカ、
遥かなるケンブリッジ、天才の栄光と挫折などは、非常に感銘を
受けた作品である。しかし、この本は、過去の名品と全く異なる。
この本にあふれる断定的な言い回しには、嘆息する他ない。

著者は、繰り返しアメリカ的なものを否定、過去の日本を讃美する。
そして、現在の日本を罵倒する。しかし、著者も数学という自然科学
を学び分かっているはずであり、この本の中でも述べているように、
真理とは簡単な言葉では言い表せないものである。アメリカはだめ、武士道は
いい。そうした極端な単純化、矮小化、美化は、著者の言う大衆の好む
ところであって、およそ大局的な視野に立つ人間の言葉ではない。

著者は、ところどころ、歴史を引用して自分の論理を補強している。しかし、
注意深い読者にはわかるように、この本における彼の歴史観はかなり
偏向している。例えば、河井継之助に関する解釈は、あまりにも単純だ。
司馬遼太郎は、彼を幕末で異彩を放った人物として捉えているが、著者のように
崇拝すべき義憤の士としているわけではない。たとえ義憤であっても、多数の若者と
町人を勝ち目の無い戦に巻き込むことは美しいことなのか?太平洋戦争における
暗号戦の解釈も、あまりに浅薄すぎる。

私は、この本を読み進むにつれ、いたたまれなくなり、途中で読むのを
やめてしまった。どんな人間にも失敗はある。次の作品では、こうした
熱に浮かされたような「軽佻浮薄」な書物は出してもらいたくないと思う。
そういうことは無いと願いたいが、こうした内容の本が売れるということを
著者が意識して書いているならば、藤原正彦という文章家はまさに堕落した
と言うしかない。

日本人の誇りを感じさせてくれる良書  (2008-08-05)
国家の品格の作者が書いた、国家の品格のバージョンアップ版。

日本人が文化や歴史的価値を投げ捨てて、新自由主義とか市場原理主義に走った事、走らせた政治家、無関心の国民について書かれている。

小林よしりんのような自虐史観の人たちも、これくらいちゃんとした文章で訴えれば、世の中からもう少し支持を受けたと思うが、彼らはあまりにも品がなかったし醜かった。

この藤原さんの本を読むと、「そうか、日本人って、日本ってそんなにすごい国・民族だったのか。だとしたら今起こっていることも多分大きな視点で考えれば、いずれは落ち着いてもとの誇り高き日本民族に戻れるのでは?
今はアメリカかぶれの学者がいう事などは無視していいのではないか。たかが経済の話だ」とか思えてしまう。

面白かったのが、英語教育の問題。
今盛んに経済界から英語の勉強を小学校から…とやんや言われて文部省も企業献金がほしいからそれに乗ろうとしている。この作者いわく、「世界一英語が上手と思われる英国は、日本よりすばらしい国か?」。確かにしゃべれないよりしゃべれたほうがいいと思うが、ようは「何を話すか」であり、中身のない、日常会話が話せても何もいい事はない。そのための勉強に大事な義務教育の時間と税金を裂くなら、日本が世界に誇れる古典などを勉強したほうが、よほどその人のためになると思うという意見。一理あると思う。

胡錦濤国家主席が、英語でスピーチするか? サルコジが、英語でスピーチするか。逆にしないと文化程度が低いと考えるか?
日本の首相が日本語でスピーチして、「何だ、福田も英語くらいしゃべれればいいのに」と思うのは、内容がないからだ。胡錦濤国家主席もサルコジも英語で話せとは思わないだろう。

こんな感じで、日本人のよさと今の足りない点、間違っている考え方を指摘してもらい、何とかもう一度誇り高き日本人に…と思える良書である。

10年位前に読んだ、「日本の美徳」をもう一度読んでみたくなった。

痛快!  (2008-06-26)
あの大ベストセラー、「国家の品格」新潮新書から早3年(2005年11月)。
早いですね、月日の経つのは。

この本のお陰で、今では著者の両親の本まで読むようになってしまいました。
母:藤原てい、父:新田次郎。
この3人に共通なのは文章のキレ。母、息子の共通点はとユーモア。なかなか凄い家族です。

さて、今回の本。

本の帯に記されている通り、平成15年から3年間にかけて著者が新聞、雑誌に書いたエッセイをまとめた「この国のけじめ」平成18年単行本刊行。それに、その後書いた作品を加えたものである。この間に「国家の品格」が出ましたので、内容的にはダブっているものがあります。
但し、あれから3年。「国家の品格」の詳細はすっかり忘れていましたから内容がダブっていても面白い。

やはり、「痛快!」そのもの。
私すきですね、この歯切れのよさ。こんな「スパッ!」と物事言えるひとは今の世にいません。貴重な存在です

奥様の登場されるエッセイは秀逸  (2008-05-27)
さまざまな雑誌や本に掲載された論文やエッセイ、解説など雑多なものがはいっている一冊です。従って読み進むうちに、内容の重複やテーマの豹変に戸惑うかもしれません。が、それぞれの中味は濃いので、お薦めの本と言えます。なにしろこの本に書かれた内容がなければ、ベストセラーの「国家の品格」はなかったかもしれないのですから。
目新しくて面白かったのは、奥様の登場されるエッセイ。お茶の水大学には、哲学科だけでなく数学科にも、自身に対する自信と評価にギャップを持たれている先生がいるのだと思いました。それとも校風?

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