再生医療へ進む最先端の幹細胞研究―注目のiPS・ES・間葉系幹細胞などの分化・誘導の基礎と、各種疾患への臨床応用 (実験医学増刊 Vol. 26-5)
なにがスゴイか?万能細胞 ‐その技術で医療が変わる!‐ (知りたい!サイエンス) (知りたい!サイエンス)
なかなかの良書です
(2008-10-04)
単にiPS細胞に関する現状と将来性について述べられているだけでなく、以前から言われているが、日米の研究環境の違いや、国の科学技術行政や知的財産制度に関する問題点などについても触れられており、こんなことでいいのかと改めて考えさせられます。
文中触れられているように、現状のままでは日本はノーベル医学賞という名誉を得たが、再生医療における莫大な利益という実で欧米に負けてしまうことになるのではと強く懸念する。
その意味で、本書は一般読者のみならず、大学や国の研究機関、また文部科学行政関係者も一読する価値があるかと思う。
しくみは良くわかる。
(2008-06-12)
iPS細胞について一般にわかりやすく解説した書物の先駆けである。
また、山中教授がiPS細胞を樹立するまでの研究がドキュメンタリー風に記述されているので、裏話や生活感の溢れる部分も垣間見ることができる。
将来的に期待される技術については、すでに実現可能なものから希望的観測の範囲にいたるまで多様に解説されている。その中で危惧される生命倫理の問題などについては内容の薄い部分もあるように思う。
しかし、あくまでもiPS細胞についてわかりやすく解説することを目的とした本なので、あえて倫理問題については深く言及しなかったのかもしれない。
どちらにしても、最新科学技術に対する問題意識を高めるには良いきっかけになる本である。
ニュートンよりもよくわかりました
(2008-05-25)
iPS細胞がどうやって作られたのか、ということがよくわかりました。2章に山中教授がiPS細胞を作製するまでの研究の様子が描かれているのですが、時を追って進むので、雑誌のニュートンで何となくわかったつもりになっていたことが、はっきりとわかりました。
また、4章・5章には、iPS研究を取り巻く問題点・課題が書かれています。再生医療の実現が格差を広げる可能性までは、この本を読むまで考えていませんでした。科学技術の発展を人の幸福につなげることが一筋縄ではいかないことを、改めて痛感しました。